年頭所感

皆様、あけましておめでとうございます。
2018年は、というより、2018年も、と言うべきでしょうか、ディープラーニングに関する技術が大きく進展しました。特に自然言語処理まわりでは、ELMoやBERTといった手法が提案され、従来の性能を大きく超えました。また、実用面でも、画像認識を活用したさまざまな事例が出て、ビジネスとして成長するものも出始めています。
日本ディープラーニング協会の主宰するG検定は3回を数え、合計で6,000名以上の方に受験いただきました。E資格も2018年9月に初回の試験があり、234名の合格者が誕生しました。多くの合格者の方がそれぞれの場で活躍されることによって、世間でのJDLA資格試験に対する認知も徐々に高まってきたことを感じます。また、『深層学習教科書 G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト』(翔泳社)や『ディープラニング活用の教科書』(日経BP社)などが出版され、教育事業を展開する事業者も増え、学びの環境、活用の環境が整ってきました。
とはいえ、ディープラーニングの技術的な進化はまだまだ初期段階です。深い階層をもった関数を用いて学習をするというイノベーションの本質は、産業・社会に大きなインパクトをもちますが、まだその黎明期に過ぎません。私はよく、インターネットでいうと20年前、つまり検索エンジンがまだ検索連動型広告と結びついていなかった時期と表現しておりますが、新しい技術と新しいビジネスモデルが紐付いたとき、大きな事業が生まれ、社会における変化が加速されるはずです。
こうした可能性を、低迷する日本にとっての大きなチャンスと捉え、多くの方の挑戦のなかから、大きな成功が生み出されることを期待しています。日本ディープラーニング協会はその手助けをしたいと思っています。2019年も、人材育成、産業活用の促進、政策の提言等、さまざまな活動を加速させていく予定です。活動にご期待いただくとともに、引き続き協会へのご支援・ご指導を賜れますようお願い申し上げます。
最後になりましたが、新年が皆様方にとりまして良い年となりますようにお祈りいたします。

平成31年 元日
一般社団法人 日本ディープラーニング協会