E資格認定プログラム事業者インタビュー
認定No.00004 STANDARD
現在、JDLAには20社近くの「認定プログラム」が登録されています。各認定プログラム実施事業者が強みや特徴を活かして、人材育成に取り組んでおられます。本シリーズでは、E資格認定プログラム事業者へインタビューし、認定登録された経緯や各プログラムの特徴をご紹介していきます。
認定No.00004は、STANDARD。
BtoB専業で、新規事業や業務改善で活躍する、利益に貢献できる人材の育成に特化しています。当社のプログラムは、実務経験のあるメンターが、平均回答時間3分以内の質問対応や演習課題の添削を通して最後まで伴走してくれると好評だそう。今回は、その詳細や差別化ポイントについてお話を聞きました。
代表取締役CEO
石井 大智 様
早稲田大学在学時より、製造業の効率化のための統計解析を学ぶ。東大生のメンバーとともに東大人工知能開発学生団体HAIT Labを設立し、学生AIエンジニア600人の集まるプラットフォームに育てる。AIエンジニアとしてDeep Learningによる医療解析の業務を複数社で経験し、現職。
認定プログラムの講座の特徴を教えてください
(コンセプト)
まず、とにかく受講生が会社の利益に貢献できるようになることを重視している点が特徴的です。E資格の認定プログラムは試験合格に特化することが多いため、どうしてもアカデミックな側面ばかりに内容が偏りがちです。
そのために、ビジネス面の指導がおろそかになり、試験には受かったが実務では活躍できていないというケースが増えています。そのため、私たちは実務を想定したケーススタディをふんだんに盛り込んだり、開発業務で躓きやすいポイントに他社より重点を置いて指導しています。
たとえば、重回帰分析という手法を扱う章では、不動産会社の物件紹介サイトに新機能を導入するというケーススタディを採用しています。普通の講座だと、データセットの仕様について簡単に説明した後、いきなり数式の説明に入ってしまいます。しかし、弊社の場合は、その機能を求めているのかという顧客課題を考えていただくパートを最初に設けています。
たとえば、この場合だと「お買い得物件を自動でページ上位に持ってくることで、そのサイトの運営で課題だったトップページからの離脱率をxx%まで下げることを目指し、その結果として成約率をxx%高めると言う狙いがある」というような内容です。このステップを経ることで、受講生は目の前のビジネス課題と技術を紐づけて、精度の高い仮説をひとりで立てられる感性を養うことができます。
また、教材は東京大学大学院教授の越塚登先生と共同開発をしています。いくらビジネス面を重視しているとは言え、アカデミックな面にも不備がないよう細心の注意を払っています。
(コンテンツ)
次に、即戦力となる人材を輩出するために、メンター陣を実務経験者で固めている点が挙げられます。これによって、受講生は座学の中ですでに実際の開発業務の勘所が掴めてきます。弊社の場合はチャットを通した質問への回答時間を3分以内とすることや、課題の添削に実務的なアドバイスをふんだんに盛り込むことを徹底しています。
実際、受講生からの評価も高く、修了生からメンターに名指しで感謝のメッセージが寄せられるほどです。これがあるかないかで、受講生が最初の案件から活躍できるかどうかが大きく変わってきます。
また、E資格は難易度の高い骨太な試験です。弊社の受講生アンケートでも、シラバスの内容について68%が「難しかった(17%)」あるいは「やや難しかった(51%)」と回答しています。事業者様の中には人手でのサポートが弱かったり(48時間以内にメールで回答など)、まったくなかったりする場合もあります。良し悪しはお客様のご評価次第ですが、私たちはサポートの手厚さが付加価値の決めてだと考えています。
(学習方法)
これはあまり珍しくはありませんが、オンライン教材をベースにしたe-learing形式を採用していることも特徴のひとつです。時間がかかる試験からこそ、いつでもどこでも受講できる形式を取り、現業と試験勉強の両立をはかっています。また、最近はリモートワークが浸透してきたこともあり、時代に適した学習方法だとご評価をいただいています。
e-learningとなると理解度が深まりにくいのではと心配される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、弊社ではメンターによるサポートに加え、Web上でコーディングの実装演習をする機能、無理のない学習スケジュールで進捗管理をする機能など、デジタル方面からのフォローを徹底しています。その結果、一般的なe-learningの修了率が10%前後と言われる中、弊社の終了率は92%を誇っています。
(学習時間)
E資格を受験する場合、弊社講座の受講期間は4ヶ月、総学習時間は約150時間となります。かなりの長丁場になるので、会社での進捗の管理も非常に重要です。弊社では全体を40の章に分け、ひとつあたり2〜3時間で終わるようにしています。
こうすることによって、研修の実施担当者様が管理者画面で進捗率を把握しやすくなります。進捗が芳しくない受講生には実施担当者様と一緒になってフォローを行うこともあります。また、合格を目指してのサポートとして、試験後も教材が閲覧できるようにしています。
受講生はどのような方が多いですか。
当社は、法人向けに特化しているので、受講生はすべて会社からの依頼を受けて申し込みをしています。エンジニア向けの講座に限れば、業界として多いのはSIer(5割強)と製造業(3割弱)です。受託開発や業務改善でAIを使う必要があるという明確なニーズを持たれているケースが多く見受けられます。
”強み”について教えてください
最大の強みは、人材育成から利益創出までの一気通貫のご支援ができることです。
弊社のサービスは、育成した人材でどう利益を創っていくのかという、研修のあとのフォローアップにまで及んでいます。たとえば、修了生を対象にしたOJTの代行サービスや、新規ソリューションを共同開発するコンサルティングサービスなどもご提供しています。
育成だけして終わりにするのではなく、その後の活躍の場までを提供していることが他の事業者様と最も異なる点ですね。
AI人材育成に力を入れている理由とは。
その理由は、弊社の創業までのバックグラウンドにあります。
当時、私はインターン生としてAI系のベンチャー企業で働いていました。医療現場で使われる遠隔診療アプリケーションの開発に、中核メンバーとして携わっていました。しかし、そこで痛感したのは慢性的な技術者不足と、ユーザー側のリテラシー不足の深刻さでした。
技術はどんどん進化するものの、一方でそれを扱うヒトの準備があまりにも整っていなかったのです。その結果として、PoC(Proof of Concept : 概念検証)の段階で止まってしまったり、十分な人員がアサインされないプロジェクトがあまりも多かったのです。
そこで、私たちはAI技術そのものを深めていくのではなく、それを扱うヒトを育てる事業を始めました。しかし、最初から教育それ自体をやりたかったわけではありません。目的は、あくまでいいサービスを世に送り出し、クライアントが利益を得ることです。技術は、良くも悪くもそのための手段でしかないと考えています。
メッセージ
私たちは、数ある認定事業者のうち、唯一クライアントの利益創出までコミットしている会社であると自負しています。弊社のサービスが450社のクライアントに導入されているのも、そこへのご評価の結果と考えています。
弊社は、研修をゴールとせず、その後の活用こそ重要と考えるDX推進担当者様や事業部長様に最もよくフィットします。ぜひ、利益創出に向けてご一緒させていただければと思います。
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